5月1日より開業!

静岡県浜松市に、うぐいす在宅診療所を開業しました。

緩和ケア医になるきっかけを与えてくださった患者との出会いは、病院から自宅に退院するのを手伝ったことでした。自宅に戻ってからすぐに息を引き取られましたが、後日家族から家に帰れたことを大変喜ばれていたとの内容のお手紙をいただきました。

緩和ケアとの出会いから、在宅医療にも興味を持たざるを得ないエピソードだったのだと今では思います。

ホスピスで勤務した7年間、多くの患者と出会ってきました。その中で印象的だったのは、本人曰く明らかに住みにくかった家を「私にとってはかけがえのない家です」と話していた患者や「家にまた帰りたいなぁ」と話していた患者でした。

家で最期を迎える手伝いをいつかしてみたいと感じました。

ホスピス・緩和ケア病棟でできることを在宅でも行えないか、そして癌だけではなく非癌の患者にも緩和ケアを提供できないかと思うようになりました。

そして緩和ケア医×在宅医になろうと決心しました。それから2年間、静岡ホームクリニック、千葉在宅医療クリニック、みなとクリニック、磐田在宅医療クリニック、ほっとクリニックで在宅医療を学ばせていただき、この度開業する運びとなりました。

ここまで読んでいる方の中には、なぜ浜松で開業したのだろうと思う方もいると思います。出身は東京、昭和大学出身ですので、あまり縁がなさそうに思う場所だからです。

私は初期研修医を修了し、医師3年目から京都のホスピスで勤務しました。その後、浜松の聖隷三方原病院ホスピス科で勤務しましたが、そこの先生方の生き方や医療に対する真摯な姿勢に衝撃を受けることばかりでした。

ご存じだとは思いますが、聖隷三方原病院の先生方の臨床研究には圧倒されるばかりでした。そして、研究は向き不向きがあるのもよくわかりました。だからこそ、自分は臨床現場では役に立ちたいとさらに強く思うようになりました。また聖隷ホスピスで出会った患者や家族、そしてスタッフからも多くのことを学ばせていただき、いつか浜松で恩返しをしたいと思うようになりました。

そうして今日を迎えることができました。

うぐいす在宅診療所がある浜松駅の南側は聖隷ホスピスから遠い場所にあります。駅南は遠方ゆえに、聖隷ホスピスへ入院するのが現実的ではない地域でもあります。本当ならば聖隷ホスピスの近くでの開業を考えていましたが、社会的意義も考慮して、駅南の在宅で緩和ケアを提供できる診療所を始めることにしました。

うぐいす在宅診療所の大切にしているのは「人が好き!人の役に立つことをしよう」です。浜松で生活されている方々を医療面から支え、すこしでも自宅での生活が穏やかに送れるように尽力してまいります。

最後になりますが、今日はたくさんのお花やプレゼントをいただきました。開業を「初めて」経験できるのも、今回が最初で最後です。感謝の気持ちをもう少し味わいながら、明日からの活力にしていきます。

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