在宅医療における嚥下内視鏡検査
在宅医療では嚥下機能の低下した方が対象となる場合が少なくありません。嚥下機能を検査することで、適切な食事形態を選択し、誤嚥性肺炎の予防を目指せます。今回は在宅医療で行う嚥下機能検査について説明します。
- 嚥下内視鏡検査とは
- シングルユース内視鏡(Ambu社)を使ってみた
- まとめ
嚥下内視鏡検査とは
食事を摂取する際、人は食べ物を認識し、口に運んで咀嚼します。そして細かくなった食べ物を飲み込む動作は、意識せずに行っているのです。これらはいくつもの筋肉が連動して行われ、食べ物を口から喉、そして胃まで送り届けているのです。
ただ人は年を取ると脚や腕の筋力が衰えるのと同時に、嚥下に関わる喉の筋肉もやせ細っていくとされます。また感染症などを起こすと、炎症自体が筋肉の動きを阻害して、さらに誤嚥しやすくなるとされています。
今回紹介する嚥下内視鏡検査は、食べ物を飲み込む動作にあたる、嚥下機能を評価する検査です。嚥下内視鏡検査は患者の鼻腔に喉頭ファイバー(先端にカメラが装着されている細い管)を挿入し、とろみのついた水分や着色されたゼリーなどの飲み込んでもらうことで、その嚥下状態を直接確認して嚥下機能を評価することができます。検査の時間は15~30分程度であり、細い管を使用するため違和感の少ない検査です。
嚥下内視鏡検査は入院中だけではなく、外来で検査を行うことができる。最近この検査が自宅に居ながら行うことができるようになってきています。
シングルユース内視鏡(Ambu社)を使ってみた
そもそも内視鏡は洗浄機を用いて何度でも利用することができますが、Ambu社の内視鏡はシングルユースになっています。
特徴
1.モニターと内視鏡が軽いので訪問診療、往診の際にも検査を行うことができる
2.シングルユースのため画質が悪いかと思いきや結構見やすく視野を確保できていた
3.画面が充電式のため、コードが少なくすむ
4.鼻咽頭鏡だけではなく、気管支鏡や膀胱鏡もある
これを在宅でも使いこなせると、診療の幅が広がるのは間違いないありません。
詳細はAmbu社のホームページ(https://www.ambu.co.jp/)を参照してください。
<院内での嚥下内視鏡検査の様子>
鵜飼先生(リハビリ専門医)に嚥下が問題ないか、院長の嚥下機能評価を行ってもらいました。
通常外来や入院で行われることが多い嚥下機能評価ですが、片手で持てるほど軽いモニターとシングルユース内視鏡を用いることで、自宅でも簡便に検査を行うことができるのは、かなりメリットが大きいですね。
まとめ
高齢者で頻発する誤嚥性肺炎に対応するためには、正確な嚥下機能の評価が大切です。在宅医療の現場でも使用できる、シングルユース内視鏡について説明を行いました。